『ブリジット・ジョーンズ きれそうなわたしの12カ月』を観た。滝沢乃南をも凌駕する樽ドル状態のレニー・樽ウィガーがとにかくかわいくて惚れる。ラブコメ映画としても普通に面白い出来。僕が観たのは上映初日、金曜の夕方だったんだけど、明らかに仕事をさぼってきたと思われるビジネスマンやビジネスウーマンで映画館は大盛況。上映後は拍手も起こった。
酒井順子の本で<負け犬>の象徴の一人とされたブリジット・ジョーンズの物語は、結局誰もが望んだような(?)予想通りのハッピーエンドで幕を閉じる(激やせしたレニーが引退する可能性も噂されているので、たぶん続編はもう作られない)。そしてこれまた象徴の一人とされた紀宮さまが婚約。さらに<おひとりさま>なんていう無害で無意味な言葉に乗っ取られはじめたとあって、負け犬ブームもそろそろ潮時だ。
たとえば僕の周囲では、人口のボリュームゾーンである所謂「団塊ジュニア世代」の女友達が30歳を過ぎてから続々と結婚しはじめているから、結婚件数や出生率は近い将来下がり止まるような気がしている。勘だけど。
多くの負け犬が結婚して妻となることで、負け犬ブームはいずれ終わる。あとは酒井順子本人と藤原紀香が結婚すれば終わる。じゃあその次は? 僕は負け犬ブームの次は禁断の妻ブーム、略して禁妻ブームがくると思っている。
アメリカでは、秋から放映されはじめた『
Desperate Housewives』というTVドラマが大ヒットしている。郊外に住む、理想の主婦と思われていた一人の完璧な主婦が、ある日突然拳銃自殺。彼女の親友だった四人の主婦たちが自殺の原因を探りはじめるものの、四人にもそれぞれ人には言えない秘密があって(夫婦関係や子育ての悩み、不倫、片思い、ドラッグ。。。)、と書くと本格ミステリーっぽいけれど、実際は毎週のようにお笑いやファッションやエロが楽しめるブラックコメディだ。いってみれば気楽で洒落たツイン・ピークスみたいな感じで、人気があるのもわかる。
もともと主婦はテレビ視聴の中心層なので、流行語にもなっている"Desperate Housewives"の大人気を受けて、日本のテレビ局もどこかが必ずこの潮流に追随するような気がしている。そしてその最右翼はかつて『金曜日の妻たちへ』で一発当てたTBSのような気がしてならない。勘だけど。
既に雑誌の世界では、結婚してようがしてまいが遊び続けていいんだっていうメッセージのギャル雑誌が続々創刊されているし、『STORY』や『VERY』のようなきれいごとの主婦生活ではなく、もっと主婦(元負け犬)の禁断の裏側にスポットライトを当てた言説やエンターテイメントが近い将来氾濫する、としたらどうですかお父さん。